プロが教える業界研究⑧ 続き | 面白いほど就職活動がわかるBlog -an easy guide to job hunting-

プロが教える業界研究⑧ 続き

自己分析と業界研究を関連付けることの重要性を説明するにあたって、前回は典型的な内定の決まる人と決まらない人の就職活動のフローを書きました。

決定的な違いは、要するにアウトプットを前提とした仮説検証サイクルを持っているか否かってことです。

このアウトプット指向の仮説検証サイクルを、これまで見てきた業界研究と、きっと皆さん、どうやって良いか悩んでいる自己分析とで、ちゃんと活用してやると、とても効率的なんですね。


極論すれば、しっかり考えてきた業界研究でぼんやりと見えた業界像、企業像、仕事像に対して、自分の過去の経験からどういうアピールをすれば良いかを考えてやれば良いのです。この後者の考えるってのが、検証であり、ある意味で自己分析なのです。


自己分析をやれば、自動的にアピールできる本当の自分が見つかって、同時にその延長戦上に天職が見つかると信じ込んでいる人って、多いんだよね。

そして真顔でそういうことをアドバイスする、井の中の蛙みたいなエセ社会人もけっこういる。


んなことあるわけないじゃん!!


このへんの話は、散々してきたけど、本質だけ言えば、世の中、やってみなきゃわからないことだらけだし、正解(天職)らしきものもたくさんあるんです。働く前から、ちょろっと机の上で1ヶ月ぐらい変な表をうめて、マークシートを塗れば、天職がわかるってんだったら、苦労はしません。


重要なのは、唯一絶対の解を探すことじゃぁなくて、最後は自分次第ってことで、現時点で何となくワクワクするような環境から内定をもらうことです。それでワクワクする会社数社から内定をもらってから、また10月1日の内定式までじっくり悩めば良いんです。この方が、まだ確度の高い正解にありつける可能性はある。

そして、ワクワクする会社から内定をもらうには、どうすれば良いかと言えば、当たり前ですが、ワクワクする会社に的確に自分をアピールするしかないわけです。

つまり、ワクワクする会社のこと(業界、企業、仕事)をしっかり理解して、それに適切なアピールをすることが大事なんです。

そう、さっきの極論すればってことと一緒ですね。相手ありきで、それに対して何をアピールすれば、ちゃんと伝わるかを考えるのです。


でさぁ、もうイチイチ、フォローするのも面倒なんだけど、こういうことを書くと、相手に合わせて就職活動するのなんておかしいとか、自分を曲げてまで内定を取りたくないとか、言い出す純粋まっすぐちゃんがいらっしゃるんだけど、別に、相手に合わせるとか、曲げるとかとは次元が違いますよ。


むしろ、本気で自分の可能性を広げられる会社に入ろうと思って、人よりもがんばって企業のことを調べて、受け売りせずにしっかり自分の頭も使って、その上でちゃんと自分の働きたい、絶対にがんばれるって気持ちを理解してもうらには、何を言えば良いかを考えるのって、すごく立派なことじゃないですか?これのどこが自分を曲げているんだろう?将来のために、軸を貫こうとちゃんと汗かいているんじゃないか?


親の金で大学に行かせてもらっておいて、相手に合わせるのはおかしいとか、自分を曲げるのは変だなんて、要するに自分は努力したくないって言っているガキですよ、ガキ。


で、そういう奴に限って、「お客様の笑顔を見るためなら、私はがんばれます」「サークルで人を喜ばせるのが得意だった私は、社会人になっても顧客を喜ばせたい」とか言っちゃうんだけど、おいおい、就職活動の顧客ってのは雇用主である企業じゃないのかって、突っ込みたいですね。


もちろん、ボクは自分を曲げてでも内定を取れ、自分に嘘をついてでも相手に合わせろ、なんて言っているわけじゃないですよ。


ちゃんと自分が働きたいと思っている企業に自分をアピールするなら、企業のことを考えてそれに合った自分の過去の経験を伝えるべきだって、言っているわけです。

簡単に言えば、海外にドンドンと進出している企業で自分も世界を飛び回って活躍したいなら、この「したい」って気持ちの根拠となる過去の経験を考えて整理しておきなさいってことです。


120円を持っているかどうかもわからないのに、120円で何を買うのが自分にとって最適なのかってことを考え始めると、そんなもん答えなんて簡単には出ません。


あぁ、喉が渇いた!目の前に自販機がある!コーラがおいしそうだ。コーラは、120円か。今日ってコーラを飲むのに使って平気な120円は持ってたかな?で良いんです。


ちょっと考える順番を正反対にしてみましょう。グンと上手く行き出すはずですよ。