スキルという幻想 | 面白いほど就職活動がわかるBlog -an easy guide to job hunting-

スキルという幻想

よく学生で、内定ももらう前から「〇〇に入ってこういうスキルを勉強して、□□とかに転職したい」と真顔で言っている人にあって、もうこのセリフだけで「この人は、今まで何もして来なかったんだろうな」って気持ちに半分ぐらいなります。


文学部入れば、小説で喰っていけるようになりますか?
法学部入れば、良い弁護士になって稼げますか?
商学部入れば、仕事とかできるようになって金持ちになれますか?


ならないでしょ!!

こんな単純じゃない。文学部で小説家になる奴なんてごくわずかだし、法学部で勉強してI塾に通っても弁護士になれない人の方が世の中多い。商学部で就職できない人なんかくさるほどいる(別に商学部だから就職に有利なんてことはまったくないし)。


会社、そして仕事について、学生がスキル、スキル言っているのが、気持ち悪いのも、上の話と同じ。どっかの会社に入れば、××のスキルが身に付くってのもクエスチョンだし、××のスキルが身に付いて、それで転職できるのかってのもさらにクエスチョンなんです。

だいたい、会社だとそれこそ22歳ぐらいから60歳近い人達が必死にやっているわけです。この中で人より飛びぬけたスキルなんて、簡単には身に付きませんよ。


じゃあ、転職とかってスキルじゃなくて、何でアピールすれば良いんだと、まだ内定が無い人に言うのもあれですが、はっきり言えば前職での実績でしょうね。この実績を分解すると、”前いた会社の名前、部署の名前、取り組んだ仕事、その中のポジション、そこで発揮したスキル”ってことです。


たぶん、世の中で皆さんが思っているスキルなんて、誰でもベースなんて独学で学べるものですから、差なんてつかないんです。そんなので、前職より良い条件の会社へのポジティブな転職なんてできませんよ。

どんなスキルが身に付くか、それはどんな仕事をするかであって、どんな上司の下につくかでも変わってきます。そんな不確定要素が大きい中で、「銀行に行って財務スキルをつける」「代理店に行ってマーケティングスキルをつける」「コンサルに行って戦略立案スキルをつける」なんて言っていることが、どれだけ恥ずかしいか(まあ、戦コンで2年耐えれば、戦略立案に必要な分析と資料作成ぐらいはできるようになるかな)。


配属先も担当業界もわからないのに、どんなスキルが身に付くかなんて想定すること自体ナンセンスだと、ボクは思います。

まあ、5年後に絶対に起業するから、起業している人が多い会社に行こう、ってのはあながち間違ってない気もしますけどね。

起業はスキルよりウィル(意志、要するに気合でしょう)が大事なんて言うぐらいですから。