この名著で、就職本コーナーに突っ立てる奴らを突き放せ! | 面白いほど就職活動がわかるBlog -an easy guide to job hunting-

この名著で、就職本コーナーに突っ立てる奴らを突き放せ!

何度も言うように、ボクは就職活動コーナーに並ぶ本が嫌いです。ああいう場所に群がる学生も、御約束の出版社のマーケティングにきれいにハマって可哀想だなと同情しつつ、20歳すぎてもう少し自分の頭で考えて行動できねーのかとも思う(筆記対策系の本を手に取ってる人は良いのですが)。


なぜ就職活動コーナーに並ぶ本が嫌いかと言うと、
・就職をアドバイスするにしてはビジネスキャリアがチープだったり、過去の栄光で語っている人が多い
・書いている内容は、学生ウケしそうな小手先のハウツーや「当たり前だけど、それができなくて困ってるんだよ」って精神論ばかりだったり、あまり役立たない
・なのに年度ごとに更新されたり、シリーズ化されたり、セミナーの告知があったり、奇麗事の裏に見え隠れする商魂があまりにも下品
だからです。もちろん例外もあるでしょうから、そこは誤解無きように(全部の就職コーナーの本を読んだわけじゃないし)。


どうせ、こんな本にアルバイトで稼いだお金をつぎ込んで、気を紛らわす安っぽい精神安定剤程度の効能しか得られないのであれば、同じお金と時間で、もっと良い本を読んだ方がずっと就職活動の役に立つし、内定後のキャリアにも示唆を得られるはずです。


そんな中、唯一、就職活動本(のカテゴリーに入らないかな?)で、



著者: 梅森 浩一
タイトル: 面接力

内定太郎公認ということでオススメして来ました。これで、何となく「企業における採用の流儀」みたいなのを感覚的につかめたら、後はひたすら仮説検証プロセスを繰り返すことです。



そんな中、もう読み終わってしまったという学生の方のために(私大の人はテストも終わったでしょうし)、次の一冊を紹介しましょう。大丈夫、今回も新書、安いですよ。ワタミで生ビール(中)2杯をイッキ飲みするのを我慢すれば、示唆に富んだ読書ができるはずですよ。



ズバリ、タイトルは『40歳からの仕事術』


え?!40歳?!、という反応が返ってきそうですが、実はこの本、著者も意外だったそうですが(これを学生に勧めているとなると、さらに驚かれるかも)、20代の若手にもけっこう売れているそうビジネス書の中では隠れたロングセラーになっている名著です。ボクも一読を後輩なんかに勧めてます。



多少、外資系企業がカッコ良く描かれすぎの感もありますが(とは言え、一番、最後のストーリーは、おそらく外資系企業に転職していった人の多くが抱くノスタルジックな本音だと思います)、ある大手日本企業に一緒に入社した同期3人が40歳を過ぎて再会した時、一人は戦略コンサルティングファームのお偉いさんに上り詰め(たぶん著者がモデル)、もう一人は外資系メーカーで相応のポジションで活躍しているのに対して、一人さえないのが日本企業に残った主人公で、この主人公を同期2人が指導してスキルアップさせるというストーリーです。


上のようなストーリーに乗りながらも、基本的に3人の対話形式で、思考法、分析術、コミュニケーション力、英語学習法、時間管理法なんかについて解説がされていくという非常にユニークな本です。

ただし秀逸なのは、そのユニークなスタイル以上に、解説されるそれぞれの仕事術です!!働いたことが無い皆さんには、すぐには役立たないかもしれませんが、就職活動本同様にビジネス書にも様々なハウツー、また売れたハウツーをパクった本などが乱立している中で、「あれもこれも飛びついて全部やろうなんて無理じゃん。外しちゃいけない本質だけきちっと抑えとけばOK」というメッセージ(「~」はボクがかなり意訳してます・・・)とともに、その本質をじっくりと語ってくれます。


都銀からMBA留学をして外資系コンサルティングファームに飛び込んだ著者が、苦しみながら生き残るために身に付けた仕事術を惜しみも無く教えてくれます(有名ビジネススクールをTOPレベルの成績で修了した著者が、実は英語が苦手とか、けっこう意外で興味深いです)。


ちなみに戦略コンサルティングファーム(あくまで”戦略”のつくところの話ですよ)は、入社するのもそこそこ難しいですが(特に新卒は)、パートナーというポジションになるのはもうメチャクチャ大変です。マネージャーぐらいなら、このまま激務に耐えればその内行けるだろうって思っている人は多いですが、その次か次の次ぐらいあるパートナーというポジションは別格。


そういう意味で、著者の実力は疑いありません。こういうポジションの方って、えてしてカッコつけた小難しいビジネス理論みたいなのを自己顕示欲を満たすために(それと自分のファームのプロモーション)書く傾向にありますが、この著者は平易な言葉でわかりやすく仕事の本質的な技を出し惜しみ無く紹介してくれます。もはや自分の目先の欲などなく、若手の後人育成という強い使命感をお持ちなんでしょう。


著者のBlogもあって、ボクもたまに見てますが、非常にフランクでおもしろい方です。金融業界のコンサルティングでは有名な方ですが、最近はスポーツマネジメント分野についてもいち早く研究を開始されていて、昨年のライブドア野球チーム買収騒動では、よくメディアにも出ていました。


ではなぜ、この本を学生の皆さんにオススメするかと言うと・・・、おっと、ちょっと仕事しなきゃ。なぜオススメかの詳しい理由は、また次回に!!



著者: 山本 真司
タイトル: 40歳からの仕事術



ボクが学生時代に出会っていたら、就職活動でも入社後でも間違いなくいくつかの回り道をしなくてすんだだろうなぁ、と思う一冊です。